津端修一
津端夫妻の家は、日本の近代建築に大きく貢献したチェコ系アメリカ人建築家、アントニン・レーモンドが東京・麻布笄町(西麻布)に建てた自宅兼アトリエにならったもの。修一さんは、東京大学工学部建築学科で丹下健三のもとで建築を学び、1951年から3年間レーモンド事務所に所属。竣工直後のレーモンド邸兼アトリエで働き、「建築と自然とを一体化させる」という師の思想に感化された。自ら設計に関わった高蔵寺ニュータウンの一角に敷地を購入し、1976年に建てた家は、師の哲学を形にした家だった。 築40年の建物は、玄関ではなくテラスから出入りをする、庭と一体化した家。杉丸太を剥き出しにした天井、その天井と壁を支える「鋏状(シザース)トラス」とよばれる木組み、陽光を採り込む高窓、障子やサッシを自由に開け放てる「芯はずし」とよばれる手法など、「レーモンド・スタイル」がつまった家だ。
樹木希林さんのナレーションで、何度も繰り返される詩のような言葉がある。 風が吹けば、枯れ葉が落ちる。 枯れ葉が落ちれば、土が肥える。 土が肥えれば、果実が実る。 こつこつ、ゆっくり。 人生、フルーツ。 観終わったとき、きっとこの言葉や映画のタイトル『人生フルーツ』に思いを馳せることだろう。
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