元気に森と暮らすミルフィーユのいえ・リビング~ダイニング・キッチン

with SPACE VISION 【眼前に広がる森のような緑豊かなロケーション】夜景   正面のウッドデッキのある庭はリノベーションを行なう前には駐車スペースとして利用していた。   土地を買い増し外構を拡張することが出来たため、家の中でに閉じこもるように過ごすだけでなく、アウトドアライフな気分を楽しみながら生活を過ごせる庭を設けることが可能となった。   リビングの前面道路に面する外壁とアルミ出窓を取り払い、かつて壁の内部に隠れていた間柱と筋交いを表しにして、木製建具(テラス窓)のガラス開口を間口いっぱいに広げ、眼前に広がる山裾の緑の景色をリビング~ダイニング・キッチンの室内に取り込むようにリノベーションを行った。   リビング~ダイニング・キッチンに居るとハイサイドライトの窓からも外の景色が飛び込んで見えるため、あたかも森の中に住んでいるかのように緑豊かなロケーションを満喫できる。   ジョギングや各地のマラソン大会出場を重ねる住まい手が森のようなロケーションを眺めながら健康希求欲を満足させられるランニングマシンが設置され、かつて壁内に隠れていた管柱にはステンレス加工のぶら下がり棒を製作して取り付けている。   杉材の交差筋交いや化粧柱を効果的に印象づける白い壁と麦わら素材のハーベストパネルOSSBで仕上げた壁の配分は、圧迫感が生じず空間が爽やかに感じられるよう面積比率をコントロールするように心がけて部位を決定している。   【ミルフィーユをいたる所に!】   建具枠や窓額縁、家具をはじめとして、ミルフィーユを想起させる美しい断面模様のある白樺耐水合板の積極的な採用を提案し、製菓業界に縁のある住まい手も「本当にミルフィーユみたいで面白い!」と大変気に入ってくださったため、いたる所にふんだんに活用している。床板の一部を取り外すと手作りのコンセントボックスもミルフィーユで楽しい味わいがある。   外壁面は断熱補強を行なっているが、テラス窓の木製建具は断熱性と気密性のクレームが生じないよう綿密なディテールを十分考慮して製作している。    リビング~ダイニング・キッチンという長さとヴォリュームを持った空間の快適な空気調和(冷暖房)を実現する上で、温水床暖房設備と大容量の壁掛けエアコンを採用しているが、エアコンの室内機は単に壁面に設置しただけでは出っ張りが大き過ぎるため、ニッチ状の壁段差を設けることで空間に作用する無配慮な野暮ったさを回避している。   自然豊かなロケーションに恵まれたことと既存住宅の持ち味を最大限に活かし、多様な素材の納まりと配分をスッキリとコントロールすることで、住まい手が生き生きとした新たな暮らしを楽しんでもらえることが設計者の願いである。   【リノベーションを機に床を明るい色調へ】   リノベーションによってエコマテリアルである自然素材、特に木を肌で感じる住まいづくりを行なおうと心がけ、既存住宅の床材とイメージをガラリと変えて空間により広がりが感じられるように、明るい色調のフローリング材とすべく、ホワイトオイル自然塗装を施したやや幅広のアッシュ(タモ)をセレクトしている。